『止観瞑想』とはどういうものですか？

『止観瞑想』とはどういうものですか？

内観瞑想を行って、実際に自分というものが見えてきたときに、今度は、第二ステップである止観瞑想を行います。

内観瞑想では『お世話になったこと』（お返ししたこと）『迷惑をかけたこと』を振り返りましたが、止観瞑想では、特に（迷惑をかけられたこと）をクローズアップします。その中に私たちのカルマ（思い方のクセ）が出てくるからです。

人はそれぞれの人生において、それぞれ色々なパターンの失敗を繰り返しています。そして、この止観瞑想を実際に行って頂くと、いつも同じパターンの失敗を 繰り返していることがわかってきます。同じパターンの失敗を性懲りも泣く、何度も何度も繰り返して『またやってしまった』と悔やんでいる自分が見えてくる のです。

ですから、自分のカルマに目覚めないと、いつまでも同じパターンの失敗を繰り返しながら、歳をとってしまうのです。そうして、死を前に人生を振り返りながら、『私の人生は何だったんだろう。本当につらい人生だった』と後悔をすることになりかねません。

誰が悪いわけではありません。
本来は越えられるはずの困難から逃げてしまった自分自身の責任なのです。

そのためにカルマを修正することが出来なくなり、真の理想や希望を実現する人生を送ることが出来なくなったのです。

止観瞑想では、今までの人生で他人に迷惑をかけてしまったことや自分自身がトラウマとなっている出来事を一つずつ取り上げていき、その時出たマイナス的な感情を解放し、更に何故そういった思い方が出てしまうのかを瞑想の中で導き出していきます。

そして次に、イメージの中で、同じ事件を理想的な自分を登場させて瞑想の中でやり直していきます。

そうすると、その事件によって負った心の傷は、完全に癒されていきます。

このようにして、今日までの自分の失敗の体験を次々にクリアにすることによって、心の中が、薄紙を剥がすかのようにきれいになっていきます。今まで重くのしかかっていた曇りが晴れていくのです。

過去において心を悩ましたり、苦しんだような出来事は、このような方法で修正をしてからもう一度思い出すと、その当時から今日までずっと感じていた自分の心のわだかまりがなくなっていることに気づきます。

それが心の世界の不思議さです。

このようにして過去のわだかまりを残した出来事を一つ一つ修正されると、今後の人生で、同じような失敗を繰り返しそうな事件に遭遇したとき、失敗しないで 乗り越えられるようになっていきます。その理由は、いったんイメージの中でやり直すことによって、今後、同じような出来事に出合ったときに、どのような行 動を取れば、今までのような失敗をせずに理想的な形で行動できるのかがわかるようになるからです。

このようなステップは、私たちが、この人生で同じような失敗や過ちを繰り返さない為に不可欠なものです。

『私はひどい事をしてしまった。今度こそこういうことをするまい』
こう決意して、いきなり行動を正そうとしても、なかなか出来るものではありません。

例えば、借金で苦しむ人は、いつも同じパターンで借金を繰り返しています。イジメに会う人は、いつも同じ状態でイジメに会います。つい嫌味を言って人を傷つけてしまう人は、いけないと思いながらもまた嫌味を口にしてしまいます。

これは根本的な原因に気づいていないからです。

私たちの心のかなにある根本的な原因に気づかない限り、私たちは同じ失敗を繰り返し、最終的には自己嫌悪に陥ってしまうのです。

このようなカルマの根本原因をクリアにする瞑想が、止観瞑想なのです。